
不動産仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が2015年3月12日に発表した、都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の2月のオフィス平均募集賃料についての内容です。
これによると、平均募集賃料は3.3平方メートルあたり1万7,167円で、前月比0.3%増(58円の上昇)となりました。
2015年2月の平均空室率は5.31%と前月より0.05ポイント低下し、低い水準が続いていました。オフィス空室率の低下は20か月連続で、経済の堅調さを裏づける形となりました。大規模ビルの完成に伴い新築の空室率は29.31%(前月比14.46ポイント増)と上昇したものの、既存ビルの空室は減少しており、全体としては低下傾向に変わりはありませんでした。
利益を上げた企業が新たにオフィスを借りるなどの動きを見せ、それがそのまま賃料の増加につながっていたとされます。増床に動く企業からはまとまった広さのオフィス需要が強く、まとまった面積を提供できるビルの募集賃料は高めに設定されていたようです。
オフィス賃料の増加は、不動産投資信託(REIT)の収益力向上にもつながります。当時は、REITによる物件取得意欲の高まりが予測されていました。あわせて、大手ディベロッパーによるオフィスビル建設用の用地獲得の動きも注目されていました。企業のオフィス需要に応える形で用地獲得が進めば、住宅・マンション価格の上昇にもつながり得る、という見方です。
こうした市況から、当時は「中古マンションをお持ちの方は売却の時期を見計らう必要が出てくる」とも言われていました。一方で金利や政策の面からは、一般消費者の住宅購入の動きが強まりつつあるとも考えられていました。
住宅価格の上昇と金利などの市場動向の両面をにらみつつ準備を進める——それが当時すすめられていた構えでした。
※本記事は2015年3月時点の内容です。最新のオフィス賃料・空室率の動向は三鬼商事の公表資料を、住宅・マンション価格の動向は国土交通省「不動産価格指数」などをご確認ください。