政府、タワーマンション節税規制へ|高層階の固定資産税・相続税の引き上げを検討
2017年1月9日

大都市圏のタワーマンションの高層階は人気があり、取引価格も高騰します。しかし税金面では下層階と差がないこと、また土地の所有分が部屋の所有者ごとの分割となり一戸あたりの土地の持ち分が少なくなることから、主に富裕層の固定資産税や相続税の対策に活用されてきました。
こうしたなか総務省は、高層階の固定資産税と相続税を引き上げることを検討しています。一方で低層階の税負担は軽くなるとのことです。2018年以降に引き渡される新築物件(20階建て以上の超高層マンション)が対象となります。
改定の内容を詳しく説明しましょう。
固定資産税や相続税の算定基準となる「固定資産税評価額」は、マンション1棟の評価額を部屋ごとの床面積で割り出して計算されます。階層による差はなく、同じ面積なら最上階も1階も同じ評価額であり、原則として固定資産税額も相続税額も同じでした。一方、新築高層マンションの分譲価格は、最上階の床面積あたりの単価が最下層階よりも平均46%高くなっています(資産評価システム研究センター調べ)。そのため「マンションの高層階は、現金による相続よりも相続税を抑えられ、固定資産税も取引価格のわりに安く抑えられる」として、富裕層が節税対策として利用してきました。とりわけ2015年の相続税の増税以降、人気が高まっているようです。
総務省による新たな評価額の仕組みでは、高層マンションの中間階は現行と同様の評価額である一方、中間階よりも上の高層階では段階的に引き上げられ、低層階では段階的に引き下げられます。日本経済新聞の記事によると、「評価額5000万円の建物にかかる固定資産税は単純計算で年70万円。5500万円になれば固定資産税は年77万円に増える」といいます。
ただし対象となるのは2018年以降に引き渡される新築物件に限定され、既存の物件は現行の税制が適用されます。並んで立つタワーマンションであっても、2017年までに引き渡された住戸の高層階は固定資産税が低く、それ以降に引き渡された住戸は高くなるということです。将来的には、同じように林立するマンションでも価格差が生じ、それが固定資産税や相続税の差だった、ということになりかねません。
※本記事は2017年1月時点の情報にもとづく内容です。固定資産税・相続税などの制度や税額は改正されている場合がありますので、最新の情報は総務省・国税庁・国土交通省などの公式サイトでご確認ください。








