国税庁、タワーマンション・高層マンション節税防止へ
2016年2月24日
総務省と国税庁は、価格の割に相続税が安い高層マンションを、節税目的で購入する動きに歯止めをかける検討をはじめました。マンションなどの相続税を計算する際の基準となる総務省令の改正案をまとめ、はやければ17年中に改正、18年1月から実施される見通しです。
いわゆる「タワーマンション(タワマン)」と呼ばれる超高層マンションは、高層階になるほど価格が高いのが一般的。同じ面積だとしても、低層階の数倍額になることもあります。しかし、相続税の算定基準となる「評価額」においては、階層による差はなく、床面積によるものだけとなっており、実際、国税庁の調べでは、評価額は市場価格の3分の1にとどまっていたとのこと。
現金で相続するよりも、高層マンションで相続する方が、相続税が抑えられるため、節税対策として、高層マンションを購入する資産家が増え、さらに2015年1月からの相続税引き上げもあり、いわばこの「タワマン節税」の人気が高まっています。
総務省と国税庁は、実際の物件価格に合わせて、階によって評価額を増減できるように計算方法を見直す方針です。例えば、市場価格1億円の高層マンションを相続する場合、評価額は省令改正で3000万円から4000万円に上がることも考えられます。その場合、3000万円に税率15%をかけた450万円の税負担で済んだものが、4000万円の20%である800万円に増える可能性があります。
当然、その逆の動きとして、省令改正前の高層マンションへの駆け込み需要が発生し、高層マンション評価額が2016年、また2017年にかけて、高止まりする可能性のあることは、留意しておきたいところです。