中国人の日本不動産『爆買い』ブーム収束か|中国当局が外貨の使途制限を強化
2017年2月4日

中国国家外貨管理局の発表によると、2017年から中国国民は人民元から外貨への両替、および両替した外貨の使い道が制限されるようになりました。
一人あたりの両替枠である年間5万ドルに変更はありません。中国国内で有効な身分証明書を提示のうえ、外貨両替の目的を申告することで、外貨への両替が可能です。
今回の外貨両替管理規定の変更で注目したいのは、両替した外貨を海外の不動産購入に充てることが許可されていない点です。「海外旅行、留学、医療、親戚訪問、貿易など」を目的とした外貨両替は許可されていますが、「海外での不動産購入、証券投資、生命保険および投資性の還元保険類の購入」を目的とした両替は禁止されています。
中国人による香港や台湾を含めた海外観光は毎年1億2000万人に達し、個人による外貨の使用は近年明らかに増加しています。少なくとも2016年1月から11月までで、9兆7982億元(人民元)相当が外貨に両替されているとのことです。
さらに、人民元の対米ドルでの値下がりを背景に、人民元を米ドルやその他の外貨に両替して海外で資産運用を行おうとする個人投資家の数も増加しています。とりわけ2016年内は、香港での保険商品の購入が人気だったということです。
実質的に、中国国民個人の対外投資はQDII(Qualified Domestic Institutional Investors、適格国内機関投資家)を通じてのみ可能となります。また、虚偽申告や詐欺、マネーロンダリング、違法な外貨資本の送金などを行った者はブラックリストに掲載され、一定期間の両替禁止や、個人の信用記録への反映といった措置がとられるとのことです。
そもそも今回の改定の背景には、中国国内の経済成長の鈍化にともなう国内資本の海外流出と、それによる人民元の下落があると考えられます。大幅な人民元の下落を抑えるため、中国人民銀行は頻繁に元買い・ドル売りの介入を行っています。
今回の新規定により、中国人富裕層による投資目的の日本国内の不動産購入には陰りが見えるのでしょうか。とりわけ彼らが投資対象としてきた、大都市の高級マンションへの影響が懸念されます。
※本記事は2017年2月時点の情報にもとづく内容です。制度や市況は変化している場合がありますので、最新の情報は各公的機関の公式サイト等でご確認ください。








