中古住宅診断の「契約時確認」義務化へ
2016年1月26日
国土交通省は、中古住宅市場活性化を目指し、制度づくりを進めているようです。報道によると、今国会に宅地建物取引業法の改正案を提出、2018年の施行を目指すとのこと。
同省が推しているしているのは、専門家が家屋の痛み具合を調べる「住宅診断」の促進。不動産売買の仲介契約時に、この住宅診断を住宅診断実施有無を売り主や買い主に確認するよう、不動産仲介業者に義務付けます。
そもそも、日本では、住宅市場のほとんどを新築物件が占めており、また国民経済全体としても新築売買による経済効果が高いため、これまでの住宅政策はほとんどが新築住宅の活性化に向けられていました。一方、欧米諸国では、中古物件は住宅市場の7〜9割を占め、特に米国では9割といわれています。とりわけ、米国では極めて厳格な中古住宅の診断が行われています。日本経済の成熟とともに、政府も中古住宅市場に目を向けざる負えなくなったと言えるかもしれません。
中古住宅購入でネックになるのは、住宅の品質が担保されていないこと。それが消費者の不安となっていると考えられます。事前にしっかりとした住宅の質診断が行われていれば、ハズレ物件を掴むリスクを減らすこともできます。
本改正案によると、診断する場合は、不動産業者があっせんする業者が実施。その診断結果は、契約前に不動産業者が買い主に行う重要事項説明に盛り込むこと。とされています。そして、売買契約時には、家屋の基礎や外壁等の状態を売り主と買い主が確認。その確認事項を契約書に明記しなければならない。となるそうです。