不動産市場はまだまだ好調?J-REITの現状
2014年9月29日
投資家から集めたお金をオフィスビルや商業施設で運用する不動産投資信託、REIT。
物件の高額取引が続く中、REIT投資の相対的な旨みは低下していると考えられると思いきや、8月にも年初来最高値を更新。
世界的な金利低下がみられるなか、まだまだ投資妙味は失われてはいないようです。
では、REITの現状と今後の展望をみていくこととしましょう。
REITの利回りはどのくらいが適正?
投資家にとってのREITの魅力は、その分配金利回りの高さにあると言えます。
REITは純利益の90%以上を分配することで法人税の免除が受けられるため、他の投資対象よりも投資妙味が高くなっています。REITとして投資適格と考えられるのは、長期金利のプラス3%。
現状、REITの分配金利回りは低下傾向にありますが、長期金利も低下しているため、利回り格差はおおよそプラス3%を維持した格好となっています。
新規物件争奪戦。
「アベノミクス」そして、東京五輪開催。そういった追い風もあって、地価・賃料ともに上昇しつつある中、不動産売買が活況を呈しています。今までは、REITが大型物件買収を手掛ける率が高かったのですが、ここへきて、国内外の投資家が存在感をあらわにしています。
投資家による大型物件買収件数の増加により、不動産取引の高額化、品薄感が強まるにつれて、REITは取引を手控えるケースが増えつつあります。
このような不動産価格の高騰は、そのまま利回りの低下につながっていくこととなります。
投資意欲は地方へ向かう。
都心での購入だけでは、飽き足らなくなった投資マネーは地方の物件取得に動きだしています。今後は全国規模で不動産争奪戦が繰り広げられる可能性が高いでしょう。
以上のように、不動産高騰と品薄感、世界的な金利低下によって、日本の不動産市況はまだまだ活発に動くことが予測されます。
ただし、この不動産活況は、世界的な利回り低下と金余りによって演出されているものという見方も否定できません。今後の動向を注意深くみていくことが必要でしょう。