マンション売却の確定申告・譲渡所得税をやさしく解説

中古マンションが選ばれる時代へ|成約数と新築供給の最新データ

マンション売却で損をしないための心得|囲い込み規制と相場の調べ方

2026年7月19日

マンション売却の準備で資料を確認する売主のイメージ
値上がりが続いてきた首都圏の中古マンション市場は、2026年に入って変化の兆しが見えています。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の集計によると、2026年5月の首都圏中古マンションの成約㎡単価は前年同月比3.9%の下落となり、約6年(73カ月)ぶりに前年を下回りました。成約価格も5,067万円(同4.6%下落)と19カ月ぶりに下落し、売り出し中の在庫件数は3カ月連続で増加しています(2026年5月時点・東日本レインズ調べ)。今後の相場がどう動くかを断定することはできませんが、少なくとも「出せば高く売れる」局面ではなくなりつつある今こそ、売り方の巧拙が手取り額を大きく左右します。本記事では、マンション売却で損をしないための心得を、2026年時点の制度・市況に合わせて整理します。
2026年5月の首都圏中古マンション市場は成約件数・単価・価格が前年比マイナス、在庫はプラス
成約㎡単価は73カ月ぶりに前年を下回った(2026年5月度)

心得1:相場は「自分で」下調べしてから動く

不動産取引は、情報が不動産会社側に偏りやすい取引です。査定を依頼する前に、売主自身が相場観を持っておくことが、安すぎる売却や「売れない高値設定」を防ぐ第一歩になります。 現在は、公的な情報源だけでもかなりの下調べができます。 ・不動産情報ライブラリ(国土交通省)…実際の取引価格・成約価格を地域別に検索できる国交省の公式サイトです(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)。 ・レインズ・マーケット・インフォメーション(不動産取引情報提供サイト)…不動産流通機構が運営し、直近のマンション成約事例(成約価格・㎡単価・築年など)を地域別に確認できます。 同じマンションや近隣の類似物件の成約事例をいくつか見ておけば、提示された査定額が妥当かどうかを自分で判断する物差しになります。査定を依頼する際に、同じマンションのレインズ成約データを見せてもらうよう依頼するのも有効です。

心得2:「囲い込み」の手口を知っておく(2025年1月から規制強化)

仲介会社は、売主・買主の双方から手数料を受け取る「両手仲介」がもっとも利益が大きくなります。両手仲介そのものは違法ではありませんが、一部では、両手仲介を狙って他社からの購入希望を意図的に遮断する「囲い込み」と呼ばれる悪質な手口が長年問題になってきました。高めの査定額で専任媒介契約を取り、他社からの問い合わせには「商談中です」と偽って物件を紹介せず、売れない状態を続けて売主の値下げを促し、最終的に自社が見つけた買主と成約させる――という流れです。 この囲い込みに対しては、2025年1月から規制が強化されました。国土交通省が宅地建物取引業法施行規則等を改正し、専任媒介・専属専任媒介で預かった物件について、仲介会社はレインズ(不動産流通機構の物件情報システム)に「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」という取引状況(ステータス)を正しく登録することが義務付けられ、事実と異なる登録は行政による指示処分の対象になりました(国土交通省・2024年12月発表、2025年1月施行)。 売主側にも確認手段が用意されています。レインズに物件が登録されると仲介会社から「登録証明書」が交付され、そこに記載の情報(2025年1月からは2次元コードも記載)から売主専用画面にアクセスして、自分の物件の取引状況をいつでも確認できます。登録証明書を必ず受け取り、売り出し中はステータスが実態と合っているかを時々チェックしましょう。

心得3:媒介契約の仕組みを理解して選ぶ

媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。専任・専属専任は1社にしか依頼できない代わりに、レインズへの登録義務や売主への定期的な業務報告義務が仲介会社に課され、契約期間は法律上3カ月が上限です。 どの契約が有利かは物件や状況によりますが、大切なのは「契約したら任せきりにしない」ことです。業務報告の内容(問い合わせ件数・内覧件数・広告の掲載状況)を確認し、期間満了時に販売活動が不十分だと感じたら、更新せず他社へ切り替える判断も必要です。成果の見えないまま1社と長期間契約を続けないことが、損を防ぐ基本です。

心得4:売り出し期間と値下げの計画を先に決めておく

売り出しが長引くほど、物件は「売れ残り」の印象を持たれやすくなり、値下げ圧力がかかりやすくなります。売り出す前に「◯カ月売れなければ◯万円見直す」「これ以下では売らない最低ラインはいくら」という計画を決めておくと、焦って大幅な値下げに応じてしまう事態を防げます。住み替えで購入が絡む場合は、資金計画上の期限から逆算してスケジュールを組んでおくことも重要です。

マンション売却の心得に関するQ&A

Q. 査定額がいちばん高い会社に任せれば、高く売れますか?

A. 査定額は「その金額で売れる保証」ではありません。専任媒介契約を取るために、相場より高い査定額をあえて提示する会社もあります。査定額の高さではなく、根拠(成約事例・販売戦略)の説得力で仲介会社を選ぶことが大切です。

Q. 囲い込みをされていないか、売主が確認する方法はありますか?

A. レインズの登録証明書から売主専用画面にログインし、取引状況が実態どおり(売り出し中なら「公開中」)になっているかを確認しましょう。前述のとおり、事実と異なる登録は2025年1月から処分対象です。不審に感じたら、他社からの問い合わせ状況を担当者に具体的に確認し、納得できる説明がなければ契約更新を見送るのも選択肢です。

Q. 相場が下がり始めているなら、急いで売るべきですか?

A. 相場の先行きは誰にも断定できません。市況だけを理由に焦って判断するのではなく、住み替えや資金計画などご自身の事情を軸に据えたうえで、東日本レインズなどの最新の成約データ(時点付き)で相場を確認しながら判断することをおすすめします。

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